Koegel RL, Schreibman L, Britten K, Laitinen R.
J Autism Dev Disord. 1979 Dec;9(4):383-96.
〈アブスト〉
最近の研究で、自閉症の子供が複数の手がかりのある識別課題を提示されると、一般にそのうちの一部、多くの場合には一つの手がかりにのみ反応を示すようになる。
この現象は「刺激の過剰選択性」と呼ばれ、自閉症の行動の特徴を説明する要因になるのではないかと考えられている。
本研究の目的は、識別課題での強化スケジュールの違いがその後の刺激の過剰選択性に与える影響を、体系的に調べることである。
12人の自閉症の子供にCRFスケジュールで複数の手がかりを教えた。
さらに、子どもは同じCRFか、部分強化でさらに学習させた。
その後、過剰選択性を単一手がかりの課題で評価した。
実験から、部分強化を行った自閉症児では、刺激の過剰選択性が弱まることが分かった。
この結果は、過剰選択性をもたらす要因について議論する上でも、自閉症児の治療法を議論する上でも有用である。
課題の内容
(訓練課題)それぞれに二つの絵が描いてある二枚のカードのどちらかを選ぶ。
正解のパターンを見る限り、「二つの絵にある絵が含まれていれば必ず正解」というものがいくつか存在するので、それを学習するケースもありそう。
→よく読んだら、個々の子どもに対してという話なので、同じ子どもが複数のパターンを学習するわけではない。(個々の子どもに対しては絵の重複もない)
最初はCRFで行い、その後CRFを続ける群と、VRに移行する群に。
(テスト課題)その後、それぞれに一枚の絵が描かれたカード二枚のうちどちらかを選ぶ。(上記と同様の訓練課題も合間に行う)
で、過去に学習した報酬のもらえるペアの一方が描かれている方を選んだら正解で、報酬のもらえないペアの一方が描かれてる方を選んだら不正解。
ペアの一方に対する正解率ともう一方に対する正解率の差を取って「過剰選択性スコア」とした。
これがVRだと下がる。
ただ、CRF群は全般的に正解率が低く(一方の絵を確実に正解できてるわけでもない)、VR群は全般的に正解率が高いので、単にVRの学習効果によるもののような気もする。