電脳ラボ

脳のコンピュータモデルに関する論文のレビューなどを細々と続けていこうと思います。

2022-01-01から1年間の記事一覧

精神薬理と機械学習

精神薬理と機械学習に関する研究を紹介します。 教師あり Predicting second-generation antidepressant effectiveness in treating sadness using demographic and clinical information: A machine learning approach 教師なし https://www.researchgate.n…

精神医学・心理学のマンガリスト

精神医学 リエゾン(1) ーこどものこころ診療所ー (モーニングコミックス) 作者:ヨンチャン,竹村優作 講談社 Amazon ケーキの切れない非行少年たち 1巻: バンチコミックス 作者:宮口幸治,鈴木マサカズ 新潮社 Amazon 心理学

発達障害の「治療」について

以前、Gail TrippのDopamine Transfer Deficit Theory(DTD Theory)について紹介した。 ADHDの特性をすべて説明できるわけではないが、合致する部分が多いように思える。 また、上記の仮説はASDの特性を考える上でも有用であろう。 発達障害の本質がDTDだと…

報酬予測誤差ベースの精神療法

精神療法の手法は様々ですが、報酬予測誤差仮説に着目して行うことも可能です。 基本的には報酬系が予測誤差に依存することに着目して、報酬系の活動が低下している場合には比較対象を下げ、逆に亢進している場合には比較対象を上げます。 長時間の精神療法…

報酬予測誤差仮説に関する論文リスト

一時期注目されたテーマですので、関連する論文を網羅するのは困難ですが、基礎的な神経科学の論文と、そこから派生した精神医学の論文について紹介しようと思います。 Wolfram Schultz A neural substrate of prediction and reward Predictive reward sign…

計算論的神経科学・精神医学のブックガイド

Computational Psychiatry: New Perspectives on Mental Illness (Struengmann Forum Reports) The MIT Press Amazon 計算論的精神医学: 情報処理過程から読み解く精神障害 作者:愛彦, 国里,健太郎, 片平,宰, 沖村,祐一, 山下 勁草書房 Amazon 脳の計算論(シ…

遺伝医学のブックガイド

トンプソン&トンプソン遺伝医学 第2版 メディカルサイエンスインターナショナル Amazon

神経内科学のブックガイド

ベッドサイドの神経の診かた 作者:田崎義昭,斎藤佳雄,坂井文彦,濱田潤一,飯塚高浩 南山堂 Amazon 神経症状の診かた・考えかた 第2版: General Neurology のすすめ 作者:福武 敏夫 医学書院 Amazon 神経内科ハンドブック 第5版: 鑑別診断と治療 作者:水野 美…

機械学習のブックガイド

ここ10年程すっかりメジャーな分野になりましたが、私自身はマイナーな時期に学んでいたため、昔の良書を推したい気持ちもあります。ただし、最近のテキストの方がプログラミングの実例などが豊富に紹介されており、初学者にとってはとっつきやすいかもしれ…

神経科学のブックガイド

カールソン神経科学テキスト ー脳と行動ー 原書13版 作者:Neil R. Carlson,Melissa A. Birkett 丸善出版 Amazon 個人的にはこのテキストに思い入れがあります。著者は精神薬理が専門のため、内容的にもやや偏りはありますが、細胞、神経といったミクロなレベ…

精神医学のブックガイド

標準精神医学 第9版 (Standard Textbook) 医学書院 Amazon DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル 作者:日本精神神経学会 医学書院 Amazon ICD‐10 精神および行動の障害―臨床記述と診断ガイドライン 医学書院 Amazon カプラン臨床精神医学テキスト DSM-5…

salienceについて

報酬系の神経科学の領域で、salienceやsaliencyという言葉を目にするようになったのは、Kent C. Berridgeのincentive salience仮説以降でしょうか。それ以前から認知寄りの領域では視覚刺激の重要な要素に対して、salience(突起物、目立つもの)という語が…