電脳ラボ

脳のコンピュータモデルに関する論文のレビューなどを細々と続けていこうと思います。

精神疾患と時系列

統合失調症双極性障害うつ病といった精神疾患は、気分の上下や易刺激性といった尺度でとらえられることが多いが、時系列でとらえる考え方もある。

例えば木村敏は、人間の時間の感覚をante festum(祭りの前)、post festum(あとの祭り)、intra festum(祭りのさなか)の3つに分類し、それぞれを統合失調症うつ病双極性障害に対応された。

また中井久夫は、統合失調症親和的な微分的認知と、うつ病親和的な積分的認知に分類した。

Schultzらの仮説に基づけば、報酬に先行する刺激はDA放出をもたらす。またBerridgeらの仮説に基づけば、DA放出は動機づけに対応する。

報酬を予期する刺激により動機が高まり、報酬獲得行動が促されるのが人間を含む動物の基本的な行動パターンであるのなら、精神疾患はその基本的な行動パターンからの逸脱と捉えることができる。